スペシャリティMR オーファンドラッグ Vol.01 2018年薬価改定

スペシャリティMR オーファンドラッグ Vol.01 2018年薬価改定

先日、厚生労働省が2018年4月からの薬価(薬の公定価格)を告示しました。大きく膨らみ続ける医療費の抑制を念頭に行われた今回の薬価改定。対象となった医薬品の数は約1万6400、全体の改定率7.48%減、今回その価格動向が注目されていたがん治療薬「オプジーボ」も24%下がるなど、製薬メーカーにとってはより一層厳しい状況となりました。

新薬メーカーにおいては、いかに新薬の有用性が認められ加算対象となるかが大きなポイントとなりますが、そうした情勢の中で求められるMRの専門領域の1つとして、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)について取り上げます。

2018年 薬価改定 ~新薬創出・適応外薬解消等促進加算の見直し~

今回の薬価改定では「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の見直しが行われたため、対象医薬品がどうなるのかという点が注目されました。

「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」は、革新的な新薬の薬価を一定期間維持することを目的とする加算制度ですが、革新的な薬以外も適用されているとの意見があり、要件を見直すことで大幅に対象薬を絞り込むこととなりました。

今回、大きく見直しとなった対象品目の要件において、「薬価と市場実勢価格の乖離率が平均以下」という従来の基準が撤廃され、以下の要件を満たす新薬となりました。

対象品目

以下の要件を全て満たす新薬が対象品目となります
  • 薬価収載後15年以内で、かつ後発品が収載されていないこと
  • 次のいずれかの要件に該当すること
    • 希少疾病医薬品として指定された効能又は効果について承認を受けている医薬品
    • 未承認薬等検討会議における検討結果を踏まえ、厚生労働省が開発を公募した医薬品
    • 薬価収載の際、画期性加算、有用性加算(Ⅰ)、有用性加算(Ⅱ)若しくは営業利益率のプラスの補正の対象となった医薬品又は薬価改定の際、市販後に真の臨床的有用性が検証された既収載品の薬価の改定の特例を受けた医薬品
    • 新規作用機序医薬品であって、革新性・有用性に係る基準に該当する医薬品
    • 薬価収載時に薬理作用類似薬が1又は2であり、かつ最も早く収載された薬理作用類似薬の収載から3年以内に収載された医薬品であって、薬理作用類似薬のうち最も早く医薬品が加算的用品又は革新性・有用性に係る基準に該当するもの
  • 新医療用配合剤の特例で薬価算定されることとなる配合剤に相当するものについては薬価収載の日から15年を経過した既収載品の有効成分又は後発品が薬価収載されている既収載品の有効成分を含有するものでないこと
  • 再算定対象品でないこと

厚生労働省:「薬価基準改定の概要」より

これに加えて対象企業の見直しなどもあり、対象品目は現行の823品目から560品目になり、加算総額は810億円となり大幅減となりました。

加算要件を満たした成分数・品目数

成分数 品目数
① 希少疾病用医薬品 147成分 8成分
② 開発公募品 147成分 17成分
③ 加算適用品 91成分 184成分
④ 新規作用機序医薬品のうち基準該当品 51成分 92成分
⑤ 新規作用機序医薬品から3年以内かつ3番手以内のうち1番手が加算適用品又は基準該当品 17成分 38成分
合計 314成分 560成分

※複数区分に該当する場合は、上の区分に分類

加算となった成分数・品目数の内訳からもわかるように、対象となった成分・品目のうち、およそ半数が①希少疾病用医薬品となっています。

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