ISO取得に取り組む医療・介護施設|新薬・パイプライン

ISO (International Organization for Standarddization) とは、国際標準化機構のことで、世界的な物流などを背景に国際規格を定めている。世界の 137カ国が加盟している。それには製品やサービスの品質マネージメントシステムの国際規格である ISO 9000 シリーズ (2000版 9001 又は 9000 ファミリー) と公害防止のための環境管理マネージメントシステム規格である ISO 14000 シリーズとがある。

前者は、全国的な問題となっている医療ミス防止システムの確認チエック機能の規則・手順の作成、高コスト経営からの脱却をするための業務の効率化、患者サービスの質の向上等を目的にPCDA マネージメントサクルを随所に取り入れ継続的な改善を促す事を求めている。特に、2000年版 9001は、

  • 品質マネージメントの構築
  • 品質方針、品質目標の管理強化
  • 顧客満足の重視
  • 継続的な改善の必要性
  • 全員参加
  • リーダーシップ等の品質マネージメント

の6原則を定めている。

後者の環境管理マネージメントシステムである ISO 14000 の認証取得を目指す病院が増加している。言うまでもなく 「地球の持続的発展」 を目指す、「公害防止のための環境管理マネージメントシステムの規格である。社会的問題となっている医療廃棄物や院内感染防止の為のルール・マニュアル化等が具体的、現実的な課題となっている。

K大学病院では、早くから環境課の組織で、環境に影響する問題点を洗い直して業務改善を実施している。その手順や基準のしくみが一冊のマニュアルとして各部署に配布されている。政府機関では、入札条件として ISO 14000 の認証取得を求める傾向になってきた。最近では、認証取得だけでなく、「環境会計」 を導入する企業も相次いでいる。

なお、ISO 9000 取得は、我が国に上陸して12年、約3万事業所が認証取得済みである。ISO 14000 取得は、我が国では、約8,450件で世界トップである。医療 及び 社会事業では、ISO 9000 認証取得済み 77ヶ所、ISO 140001 認証取得済み 14カ所である (3月31日現在)。

今年9月、京都議定書が正式に発行の予定。これにより ISO 140001 の取得が更に加速する事が予測される。医薬品企業の認証取得数は、ISO 9000 が 66ヶ所、ISO 14000 が 140ヶ所になっている。患者が医療施設を選択する時代には、ISO の取得により顧客満足度の高い医療サービスの向上を図るマネージメントシステムが要求される事は間違いない。