先日、厚生労働省が2018年4月からの薬価(薬の公定価格)を告示しました。大きく膨らみ続ける医療費の抑制を念頭に行われた今回の薬価改定。対象となった医薬品の数は約1万6400、全体の改定率7.48%減、今回その価格動向が注目されていたがん治療薬「オプジーボ」も24%下がるなど、製薬メーカーにとってはより一層厳しい状況となりました。
新薬メーカーにおいては、いかに新薬の有用性が認められ加算対象となるかが大きなポイントとなりますが、そうした情勢の中で求められるMRの専門領域の1つとして、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)について取り上げます。
今回の薬価改定では「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の見直しが行われたため、対象医薬品がどうなるのかという点が注目されました。
「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」は、革新的な新薬の薬価を一定期間維持することを目的とする加算制度ですが、革新的な薬以外も適用されているとの意見があり、要件を見直すことで大幅に対象薬を絞り込むこととなりました。
今回、大きく見直しとなった対象品目の要件において、「薬価と市場実勢価格の乖離率が平均以下」という従来の基準が撤廃され、以下の要件を満たす新薬となりました。
以下の要件を全て満たす新薬が対象品目となります |
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厚生労働省:「薬価基準改定の概要」より
これに加えて対象企業の見直しなどもあり、対象品目は現行の823品目から560品目になり、加算総額は810億円となり大幅減となりました。
成分数 | 品目数 | |
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① 希少疾病用医薬品 | 147成分 | 8成分 |
② 開発公募品 | 147成分 | 17成分 |
③ 加算適用品 | 91成分 | 184成分 |
④ 新規作用機序医薬品のうち基準該当品 | 51成分 | 92成分 |
⑤ 新規作用機序医薬品から3年以内かつ3番手以内のうち1番手が加算適用品又は基準該当品 | 17成分 | 38成分 |
合計 | 314成分 | 560成分 |
※複数区分に該当する場合は、上の区分に分類
加算となった成分数・品目数の内訳からもわかるように、対象となった成分・品目のうち、およそ半数が①希少疾病用医薬品となっています。
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