高い専門性を要する製薬業界において、もっとも重要な仕事の1つが薬事申請に関わる業務です。2018年に実施された薬価の改訂により、より厳しい状況に置かれることとなった新薬メーカーを筆頭に、今製薬業界では一層のスピード感をもって製品を世の中に送り出すことが求められています。
そんな動きの中で、新薬メーカーやCROなど多数の企業が薬事申請に関わる人材を求めています。
薬事申請は、厚生労働省に対し医薬品や医療機器等の承認申請業務です。薬事申請の対象となるのは、医療用医薬品、一般医薬品、体外診断薬、医療機器、医薬部外品・化粧品で、これらのものを製造・販売、および輸入販売する際に必要となります。
ちなみに、近年のハンドメイドブームで石けん作りを楽しむ方が増えていますが、石けんは医薬部外品に該当するので、作った石けんを販売しようとする際には薬事申請が必要となります。
薬事申請手続きには、開発経緯やプロトコル、有効性や安全性を示すための科学的データによる証明など多岐に渡る知識とそれらを専門文書にて報告する必要があり非常に高い専門性が求められています。そんな薬事申請に関わる仕事の中で、とりわけリーダー的な役割を果たしているのが薬事申請担当者(RA)です。
RAの主な仕事は、円滑に治験が進むよう治験現場のサポートやマネジメント業務、規制当局の査察や監査対応、薬事申請業務などがあります。
治験現場のサポート・指導・マネジメント |
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規制当局対応 |
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薬事申請業務 |
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書類作成・管理のために他職とのやりとりや、申請にあたってはPMDAの審査官に対してわかりやすく根気よく交渉していくなど、専門知識に加えて折衝能力が問われます。
また近年、ドラッグ・ラグ解消など一日も早い承認のために国際共同治験に参加することや、ニュースとしても注目されている武田薬品工業の大型M&Aのような製薬業界の再編により、海外拠点とのやり取りも増えてきており、英語力はもちろん相手の国や文化に対する知識や気配りを身につけた国際人感覚と様々なスタッフをまとめ上げていくリーダーシップが求められます。