人材の採用にルールはありません|エッセイ
この人材業のビジネスに入って、13年経過しました。それで確実に言えるのは、人間の採用とはかなり感情的な物だということです。つまり、合理的でないのです。
早く決まる人材と、入社決定までの時間のかかる人材では、その人のレジメ(履歴書)を10秒見れば分かるものです。
では、早く決まるタイプとはどのようなものなのでしょう。
- 年齢が若い
- 技術系
- 転職回数が少ない
その3点でしょう。
では、逆に時間のかかるのはどのようなものでしょう。
- 年齢が35歳以上
- 年収が1,000万以上
- 「本人がマネジャー職を希望」などの場合です。
長年、当ビジネスを経験していて忘れられない事があります。
臨床開発の経験者で、新しい職場を希望していた方がいました。
Aさん(37歳)は、「私は英語が不得手です。外資系は無理なので、国内系に絞って紹介して欲しい。」 と依頼してこられました。私は、国内系に絞った数社を紹介しました。
結果はあまり良くありませんでした。
その後、数ヶ月経過したある日、Aさんにその後どのようなのか、電話で尋ねてみました。すると、驚くべき返事が返ってきました。英語が苦手なAさんは、一番英語を重視するB 社に入社したのです。B 社は米系の大手製薬会社です。英語は大変重要な条件の一つです。 海外との頻繁に起こる連絡などの業務が多くあるため、特にAさんのように英語のできない方の場合、面接は無駄だと思っていたのです。Aさんは薬剤師の資格を持ち、MRの資格も持っておられます。MR時代はトップの成績だったようです。
推測ではありますが、Aさんはこれらの事から欠点を超えた美点があったと判断されたのでしょう。固定観念を持ってはいけないと思い知らされました。これは過去の教訓でもあります。
会社はその時の都合で採用を決めるのです。ルールはその度に変更されるのです。そして、一番大事なのは機械が機械を選ぶのでなく、人間が人間を選ぶのだという厳粛な事実があるのですね。