山之内製薬と大正製薬が医薬品開発で提携|新薬・パイプライン
山之内製薬と大正製薬は6日、薬のもとになる「化合物」の研究で提携した、と発表した。病気ごとに研究テーマを設け、それぞれが持つ「化合物ライブラリー」を相互に利用し合って共同で新薬開発を進めていく。
両社はまず、糖尿病治療薬の共同研究を始めた。それぞれが糖尿病治療に関係する化合物を持ち寄り、薬につながるかどうかの研究や評価を協力して進める。ほかの病気についても今後、協力する予定で、幅広い分野で共同研究を進める。
薬の開発は病気の治療に効果がある化合物の発見が重要で、製薬各社は研究にしのぎを削っている。各社が数万~十数万の化合物を集めたライブラリーを持つ。山之内と大正はライブラリーを相互利用することで、単独研究に比べ、より多くの化合物の中から薬につながる化合物を発見できるとしている。
国内の製薬会社は、年間数千億円の研究開発費を投じる欧米の製薬会社と競うため、年間数百億円の研究開発費で効率的に新薬の開発を進めようとしている。国内の製薬会社間では病気に関係する遺伝子研究など共同研究が進みつつある。