薬学系出身者が活躍しやすい製薬業界において、QC業務は薬学系に限らず、理工系や農学系、化学系のバックボーンを持つ人材が多数活躍するエキスパート職です。
とはいえ、薬剤製造における関連法規や全般の流れの中で薬学知識は欠かせないので、薬学に関する基礎知識を保有している薬剤師資格保有者は有利であると言えます。
QC業務は、薬剤に対してGMP環境下で試験を行うことで品質を保証し、また、その試験結果を製造現場に対してフィードバックを行うため、GMPに対する知識や深い理解が必要となります。試験や関連法規に関する知識に加えて、正しく試験を実施することやその結果と向き合う高い倫理観や、取り扱うデータや情報に対する責任感も重要です。また、製造する薬剤は日本国内のみならず世界各国で使用されている場合も多数なので、そういった場合には各国の規制に適合した品質を保証するために、より幅広い知識や高い英語力が求められます。

試験から得られた結果を論理的な思考力に基づいて考察し、薬剤の品質の維持・向上につなげるべく、製造現場にフィードバックを行うためのコミュニケーション能力や説明能力も求められており、部署を超えた人間関係の構築も必要です。場合によっては製造現場に対して厳しい意見や折衝も伴うため、根気強くわかりやすく丁寧に伝えるという姿勢も欠かせない要素です。