スペシャリティMRオーファンドラッグ Vol.02 オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)とは

スペシャリティMRオーファンドラッグVol.02 オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)とは

前回、新薬メーカーにとって薬価改定をはじめ厳しい環境であることは述べて参りましたが、その中で希少疾病用医薬品であることが加算の要件になることをお伝えしました。 今回は「オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)」とは何かについて整理していきます。

オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)とは

オーファンドラッグとは、一般的に難病とされるような患者さんの数が少なく治療法も確立されていない病気のための医薬品を指します。

オーファンドラッグの指定基準

オーファンドラッグの指定基準は以下となります
  • 対象患者数が5万人未満(アメリカの場合、20万人未満)
  • 難病などの重篤な疾病が対象
  • 医療上の必要性が高い
  • 代替えする適切な医薬品や治療法がない
  • 既存の医薬品と比較して、著しく高い有効性、または安全性が期待される
  • 開発の可能性が高いこと
  • 開発コストが販売から回収される見込みがない(アメリカの場合)

製薬協HPより

患者さんの立場から考えれば必要性の高い重要な薬剤ですが、患者さんが少ないということが研究開発の現実を考えると開発に伴う膨大な金額となる費用をかけにくい構造を生み、なかなか手を出しづらい状況にありました。

こうした状況をみて、アメリカにおいてオーファンドラッグ法が制定されるなど1970~1980年代にかけて先進諸国を中心に公的援助制度をつくる取り組みが見られるようになりました。

日本におけるオーファンドラッグへの主な取り組み

西暦 取り組みの内容
1979年 難病に対する新薬研究開発事業 スタート
1985年 承認審査の簡素化
1993年 薬事法改正によるオーファンドラッグに対する本格的な公的研究開発制度スタート

製薬協HPより

日本においてもオーファンドラッグの指定基準を定め、開発の後押しをしています。
多くはなくても患者さんがその医薬品の誕生を強く待ち望んでくれていることや、公的な後押しを受け、承認申請のスピードが他の医薬品に比べて早いなど新薬の開発が成功しやすい環境づくりが、中堅メーカーのみならず大手製薬メーカーのオーファンドラッグ開発意欲をもたらしています。

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