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ドラッグ・ラグの解消に向けた取り組み

日本製薬工業協会(以下製薬協)は、未承認薬がもたらしている様々な問題を解決するため、未承認薬を開発する企業を支援する組織「一般社団法人 未承認薬等開発支援センター」を2009年に立ち上げました。
患者数が限られるような薬剤の場合、多額の研究費用と長い臨床試験実施という開発負担を製薬企業1社で背負うことは大変厳しいので、未承認薬の開発に取り組む企業に対して、その研究から製造販売における各段階において技術的な支援や研究開発資金の援助などを行うことで、未承認薬を使えずに治療を断念せざるを得ない患者さんや、個人輸入など高額な治療費を個人負担している患者さんに寄り添い、必要な医薬品を必要な患者さんのもとに届けるため取り組んでいます。

また、PMDAでは、ドラッグ・ラグの解消に向けて、次のような取り組みを進めています。

ドラッグ・ラグの解消に向けた取り組み一覧
  • 国際共同治験の促進
  • 治験・臨床研究ネットワーク体制の推進
  • PMDA審査員の増員

国際共同治験を促進することで、個々の国ごとに治験実施・申請を行うよりも格段に効率よく承認申請が行えることが期待できるため、諸外国に比べて時間がかかることが問題とされてきた新薬承認の本質的解消につながります。
そのため、平成18年度より国際共同治験に関する対面助言の予約申し込みに際して優遇措置を講じ、国際共同治験を前提とした治験デザインや治験データの取り扱いなど個々の事情に応じた相談・アドバイスを行うことで製薬企業の国際共同治験への参加を促しています。

また、厚生労働省医薬食品局「国際共同治験に関する基本的な考え方について」において、どのような領域においても国際共同治験を実施することは可能だが、希少疾病等の国内で大規模な検証試験を実施することが困難と考えられる疾患であれば、より積極的に国際共同治験の実施を検討すべきであるとしています。

多くの製薬企業においてオーファンドラッグの研究開発に重点が置かれていることからも、薬事職においては国際共同治験に関する知識や経験がより重要な要件となっています。また、これまでは米国やEUなどとの国際共同治験が中心でしたが、近年では日中韓などの東アジア地域での国際共同治験も増加してきています。東アジア地域で罹患率が高い胃がんや肝炎などの疾病領域に関する医薬品など、東アジア地域での国際共同治験実施が求められることから、薬事においてはより広い視野が求められています。

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