面接官からの質問に対して、自分なりの答えを考えておくことはとても重要です。平素から、それなりのことを考えていると思いますが、面接の場合、時間が限られています。そんな制約下で、自分のことを正確に伝える伝達力が問われているのです。
面接で問われそうな内容を知り、自分らしい受け答えを事前にまとめておくこと、これはあなたの伝達力を向上させるでしょう。内容が豊かで、明確な受け答え、これこそが合格や採用の秘訣です。ここでは想定される質問とその捉え方を解説しますので、あなたなりの答えと照らし合わせてみてください。
事実を相手の腑に落ちやすいように説明することが大切です。面接官によっては、後先の質問で整合性をとってくる可能性もありますので、ウソはいけません。事実らしく、ウソでない発言が大切です。一例としては次のようなものがあります。
あなたにとって、応募した会社の魅力がどこにあるのか、それを明確に相手に伝えることが大切です。雇用条件などの委細面に惹かれたとしても、それを素直に伝えてしまうと、いけません。なぜなら、目の前にぶら下げたにんじんでは、走るのには限界があるからです。面接官はそれをよく知っています。給与や待遇面へ強い魅力を感じたとの説明では、面接官から長続きしないと見られます。志望動機はとても大切です。なぜ、その会社に入りたいと思ったのか、長く続けられると思ったのか、明確に伝える必要があります。
極端な話、深いところまで知らなくてもよいです。求人と求職はめぐり合わせですので、「あの会社に入りたい」と思って求職活動をすることは稀だからです。ですので、次のようなフローで回答するとよいと思います。
差しさわりのない部分は、素直に答えるべきです。素直さがないと、将来性がないと見られますので、答弁の折々で素直さを感じ取ってもらえるといいと思います。
正直なところ、初めて訪問する会社に対して具体的なイメージは湧いていないと思います。ここでウィットを利かせて、「玄関にきれいな花が飾ってあって、とても清潔感のある会社だと感じた」など、さりげない印象を説明すると好印象かもしれません。
他は、知人などからの伝聞だけでなく、新聞や他のリソースから得ている情報を伝えることも大事です。
この質問に対しては、事前に書類を提出していますので、ここでは面接官に触れてほしいキーワードを織り交ぜた説明をするとよいでしょう。自分の得意な話に持ち込むようにすれば、緊張も解け、見せたい自分が表現できる可能性が高まります。
この質問は重要です。志望動機のコア部分に相当します。人が行動するには、まず、気持ちが大切です。気持ち次第で、長続きしたり、やり遂げたりすることにつながるからです。その気持ちを問っている質問です。「自分の経験を活かしたい」、「やりがいのある仕事に感じている」などといった抽象的な受け答えではなく、具体的に、あなたなりの言葉を織り交ぜた回答が好ましいといえます。
実績を問う面接官が知りたいのは、「この人は会社が与えたミッションに対する完遂力があるのか?」ということです。実績のボリュームが大きければ大きいほど好印象です。「教育係として10名を指導した」、「新製品を開発して○○に販売高実績が上がった」など具体的な内容で説明しましょう。
あくまでも仕事をいただくのは労働者です。まずは謙虚に「与えられた仕事はご期待に沿えるようにやり遂げたい」という前提で、「未経験の仕事をしたい」とか「経験のある○○のような仕事がしたい」などの説明を控えめにさせていただくのがよいでしょう。
業界の志望動機についての質問は、あまり意味がない場合もあり、回答者が発言している間に質問以外の観察点を観察したいために投げている可能性があります。面接を受けている人にとっても、職種で選んだ求人の場合、業界に対する思い入れがないかもしれません。同業界を経験したことがある場合は、それなりに発言できると思いますが、異業種からの応募の場合、「外からは○○のように見えている」といった説明にし、うまくかわすのがいいと思います。
抽象的な質問ですが、意図を確認することも大切です。「質問の意図はこういうことでよろしいでしょうか?」などと尋ねる、あるいは、「ご質問の意図に沿っていないかもしれませんが…」などと断った上で話し始めるなど対応を柔軟にすべきです。このころになると、面接官の人となりを感じ取っているはずですので、それによって使い分けられるとなお良いです。
あなたにとっての「仕事とは…」という質問です。面接者の仕事観に対する答えは、「自己表現」、「社会の一員としての立ち位置、ポジション」など様々な答えがあると思います。「生活のため」などと言わず、なぜ、人間は働く必要があるのかを一考しておくとよいでしょう。
会社の中でどういう役割を果たしていきたいのか、自分はどのように成長したいのか、そしてその理由がはっきりしていることが大切です。そんな理由が不明確のまま、「部長になりたい」、「社長になりたい」。そんな答弁ではよろしくありません。
社会は変化しています。会社はその外的な環境の変化に対応しながら継続しています。現状認識は企業人にとってとても大切な事象ですので、外部から見てどのように感じているか、ポイントを押さえて説明したら良いと思います。
これは遠慮要りません。正直にお伝えすべきです。ここで変な気を起こしてウソを言わないように。入社後に源泉徴収票を提出して、ウソが発覚してしまいますよ。
ここは説明の難しいところです。受け答えに型のない質問ですので、相手に委ねる姿勢を示すことが必要です。「御社規定に従いたいと思います」と答え、質問に口を挟めるような雰囲気でしたら、「ちなみに私の年令では幾らぐらいでしょうか」などと尋ねてみるのがいいと思います。間違っても、面接官からの質問が終わって、「何かありますか?」と尋ねられたときに聞かないようにしましょう。面接官の印象に残ります。
事情がある場合はここで説明して、希望をお伝えするようにしましょう。事情がないのに、こちらの希望をペラペラとしゃべるのはいただけません。
「残務整理・引継ぎ等で1か月位かかると思います」など、実態を正直に説明して、ご理解を頂くようにしましょう。
初めの方で受け答えした「仕事に対する意気込み」と矛盾しない内容で答えましょう。基本的に、仕事の流れのなかで必要な残業は進んで行ないましょう。
正直に答えてよいと思います。下手な駆け引きをすべきではありません。
会社にとって、人財と言う経営資源を大切に育てて、長く会社に貢献してもらいたいはずです。転職の回数が多い求職者に対しては、会社は懸念を持っています。そんな懸念を払拭できる説明を行いましょう。